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Amazon Kindle Fireで日本語を入力する / ATOK,simejiをインストールする

[2012年1月7日追記: より簡単な方法と英語でのやり方をアップしました。/ You can find english instructions ]

Kindle Fireが届きました!

199ドルにしては非常に出来が良いです。液晶もきれいだし、思っていたよりも軽いし、裏がゴムっぽくて持ちやすくていいです。

Kindle FireはAndroidベースの端末ですでにrootをとる方法も確立されているので、Hackして遊ぶにも最適です。(というか僕はHack目的で買いました笑)標準で日本語フォントも中華フォントだけど入ってるのでとりあえず困らずに使えます。 ただ、日本語入力ができるか心配でしたが、ATOKをインストール・そして日本語入力をさせることができたので、忘れないようにメモしておきます。

私は以下の手順で可能にできましたが、あくまで自己責任でお願いします。これによりKindle fireの保証はなくなりますし、これによってKindle Fireが故障した場合でも私は一切の責任を負いかねます。あらかじめご理解ください。

Enabled Japanese Input Method on Kindle Fire

rootを取る

すでに英語でやる方法はいろんなところに出回っているので、別に必要ないのですが、簡単に日本語でもまとめておきます。(adbの使い方とか他のAndroid端末でも共通していることはgoogleで検索してください)

準備

僕がやったときはWindowsでrootを取る方法しかなかったので(というかそれを最初に見つけてしまったのでWindowsでやった)とりあえずWindowsが動く環境を用意します。x64でもx86でも動くと思います。

WindowsマシンにAndroid SDKをセットアップします。そのときにかならずGoogle Driverをインストールしてください。インストールしたら、Driverのinfをいじります。android_winusb.inf を開いて、Kindle FireのIDを追加します。ファイルの中に[Google.NTx86][Google.NTamd64]のセクションがあると思うので、その先頭に以下の行を追加して保存します。

;Kindle Fire
%SingleAdbInterface% = USB_Install, USB\VID_1949&PID_0006
%CompositeAdbInterface% = USB_Install, USB\VID_1949&PID_0006&MI_01

また、adbにKindle fireがAndroidデバイスであることを認識させるために、ホームディレクトリ直下の.androidフォルダのadb_usb.iniに以下の行を追加します。(ファイルが無かったら追加してください)

0x1949

これで準備は完了

rootを取ろう

rootはSuperOneClickを使って一瞬でとれます。
[APP]SuperOneClick v2.2 (now with zergRush and su 3.0) – xda-developers
起動してrootを押せば終わりです。SuperOneClickの使い方はいろいろ解説があると思うので、適当に探してみてください。

ATOKもしくはsimejiをインストールする

Kindle fireはAndroid MarketやGmailなどのgoogle appsが入っていません。インストールする方法はありますので、興味があるひとは以下のリンクとかを参考にしてみてください。
[G-Apps][GUIDE] Google Apps on the Kindle Fire – Simpler Market Instructions – xda-developers

Android Marketが使えればATOKやsimejiをAndroid Marketからインストールします。Android Marketをインストールしていない人は手持ちの他のAndroidから抜き出してきます。(なんか野良simeji公開されなくなってしまっていますね。) たぶんここが一番ハードルが高いかも。。

無事インストールできたら、ATOKもしくはsimejiを有効にします。
通常であれば、設定→言語とキーボード から有効にすればおわりなのですが、Kindle Fireのキーボードの設定はKindleキーボードの設定しかないので設定できません。

Kindle Fire Keyboard Settings

これではATOKを有効にできないので、直接設定をいじります。

Input Methodを有効にする

今度はMacで作業します。(WindowsでもLinuxでもできますが、MacでやったのでMacで書いてます)
先ほどと同じように~/.android/adb_usb.ini0x1949を追加します。

Androidの言語とキーボードの設定は、/data/data/com.android.providers.settings/databases/settings.dbに入っているので、それを抜き出して編集します。

hiro$ adb shell
$ su
# cp /data/data/com.android.providers.settings/databases/settings.db /sdcard/settings.db
# exit
$ exit
hiro$ adb pull /sdcard/settings.db .
2486 KB/s (24576 bytes in 0.009s)

抜き出したらSqliteで変更を加えます。まず現状の設定を抜き出します。

hiro$ sqlite3 settings.db
SQLite version 3.7.5
Enter ".help" for instructions
Enter SQL statements terminated with a ";"
sqlite> select * from secure where name like "enabled_input_methods";
69|enabled_input_methods|com.android.inputmethod.latin/.LatinIME

続いてATOKもしくはsimejiをenabled_input_methodsに追加します。ATOKおよびsimejiのpackage名は以下なので参考にしてください。

  • ATOK
    com.justsystems.atokmobile.service/.AtokInputMethodService
  • simeji
    com.adamrocker.android.input.simeji/.OpenWnnSimeji

sqlite> INSERT INTO "secure" VALUES(null,'enabled_input_methods','com.android.inputmethod.latin/.LatinIME:com.adamrocker.android.input.simeji/.OpenWnnSimeji:com.justsystems.atokmobile.service/.AtokInputMethodService');

上の例はATOKおよびsimeji両方を有効にした場合です。実行したら再度select * from secure where name like "enabled_input_methods";を実行してATOKやsimejiが入っているか確認してください。確認したらCtrl+Dで終了させます。

最後に変更を加えたsettings.dbをKindle fireに戻し、Kindle Fireを再起動します。

hiro$ adb push settings.db /sdcard/settings.db
1810 KB/s (24576 bytes in 0.013s)
hiro$ adb shell
$ su
# cp /sdcard/settings.db /data/data/com.android.providers.settings/databases/settings.db
# chown system.system /data/data/com.android.providers.settings/databases/settings.db
# chmod 660 /data/data/com.android.providers.settings/databases/settings.db
# exit
$ exit

再起動したら、どこかの入力フィールドを長押しするとInput Methodを選ぶ画面が出ますので、選択するとATOKもしくはsimejiが候補に出てきますので選択するとKindle fireで日本語が入力できるようになります!

Kindle Fire Input Method Select Screen

かなり適当にまとめてますので、抜け落ちている点などありましたら指摘していただけると幸いです。

Xperia Acro SO-02C用のtun.ko

ついでにXperia Acro用のtun.koもコンパイルしてみた。
Android 2.3.4 [2.6.32.9-pref] 向けです。
IS11Sもたぶんいけるはず

コンパイル方法は
AndroidのKernel Moduleをコンパイルする
をみてください。

コンパイル済みファイルはこちら
http://nunnun.jp/acro/tun.ko-acro-4.0.1.C.1.9.zip 

AndroidのKernel Moduleをコンパイルする

SoftBankの回線をただ解約するのはもったいないので、WiMaxが付いてて各方面で絶賛投げ売り中のauのHTC EVOたんを入手したよ!(若干ネタが古い感はするーする!)

さてRootも無事取って、Cisco AnyConnect (VPNクライアント)をインストールして接続しようとしたら、”tun.ko”がないからむりぽって言われたので、tun.koをカーネルソースからコンパイルしてみることにした。

もともとOpenVPN用のモジュールなので、インストールするとOpenVPNも使えるようになるはずです。(もちろんカーネルモジュールだけじゃ動かないので他のファイルも必要です!)

最初OSXでやろうとしたんだけど、なんか面倒っぽかったのでLinux上でやってます。僕はたまたま手元にCentOSがあったのでCentOSでやったけど、きっとDebianとかでも動くはずです。

コンパイル済みのtun.koも準備しました。
http://nunnun.jp/evo/tun.ko-2.6.35.10-g04a0907.zip
/system/lib/modulesに入れれば動くはずです。 

用意するもの

手順

  1. ダウンロードしたファイルを展開する
    ホームディレクトリにandroidというフォルダを作ってそこに展開することにします。(別に場所はどこでも平気です)
    $ mkdir android
    $ cd android
    $ wget http://dl.google.com/android/android-sdk_r15-linux.tgz
    $ wget http://dl.google.com/android/ndk/android-ndk-r5c-linux-x86.tar.bz2
    $ wget http://dl4.htc.com/RomCode/Source_and_Binaries/supersonic-2.6.35-gb-MR.tar.gz
    $ tar zxvf android-sdk_r15-linux.tgz
    $ tar xvf android-ndk-r5c-linux-x86.tar.bz2
    $ tar zxvf supersonic-2.6.35-gb-MR.tar.gz

  2. デバイス(HTC EVO WiMAX)からカーネルコンフィグを抜きます
    デバイスがPCに接続された状態で、config.gzを抽出し、展開します。
    $ adb pull /proc/config.gz .
    $ gunzip config.gz
    $ mv config .config

    別のマシンから抜いてくる場合は、config.gzを抜いてそれを作業ディレクトリに転送し、展開します。

  3. Configを書き換える
    デフォルトではコンパイルしないことになっているTUNモジュールをコンパイルするために、展開した.configを書き換えます。vimなりemacsで開いて
    # CONFIG_TUN is not set
    という行を探します。探したらその行の下に、
    CONFIG_TUN=m
    という行を追加し、保存します。保存後、.configファイルをカーネルを展開した supersonic_GB_MR フォルダにコピーします。
    $ cp .config supersonic_GB_MR

  4. Makefileを変更する
    コンパイルして生成されるカーネルモジュールとデバイスで動いているカーネルのバージョンを合わせるために、Makefileを変更します。
    まず、 デバイスを接続したマシン上で、
    $ adb shell uname -a
    Linux localhost 2.6.35.10-g04a0907 #1 PREEMPT Tue Aug 30 13:49:12 CST 2011 armv7l GNU/Linux

    を実行します。実行するとカーネルのバージョンがわかります。この場合2.6.35.10-g04a0907がバージョンです。
    その後、Makefileを変更します。カーネルを展開した  supersonic_GB_MR フォルダにMakefileがあるのでそれをvimなりemacsなりで開いて、
    EXTRAVERSION =
    という行を探して、先ほどのバージョンのマイナーバージョン以下(つまり2.6.35以下)を追加します。この場合、EXTRAVERSIONの行は、
    EXTRAVERSION = .10-g04a0907
    となります。

  5. コンパイルする!
    準備が終わったので、早速コンパイルしてみる。カーネルを展開したディレクトリに移動して、makeする。
    ただ、環境変数をちゃんと設定しないと動かない。こんな感じ
    $ export ARCH=arm
    $ export CROSS_COMPILE=arm-eabi-
    $ export PATH=$PATH:~/android/android-ndk-r5c/toolchains/arm-eabi-4.4.0/prebuilt/linux-x86/bin/

    環境変数を設定したら、makeする。

    $ make modules

    なんかエラーが出た場合は何かが足りない。aptitudeとかyumで探してぶち込む。無事コンパイルが終わると、drivers/net/ ディレクトリに tun.ko というカーネルモジュールが生成されているはず。fileすると、

    $ file drivers/net/tun.ko
    drivers/net/tun.ko: ELF 32-bit LSB relocatable, ARM, version 1 (SYSV), not stripped

    こんな感じに出るはず。

  6. デバイスに転送する
    コンパイルしたカーネルモジュールをデバイスに転送して、/system/lib/modules に配置します。
    デバイスをつないだマシンから、以下のように操作します。
    $ adb push tun.ko /sdcard/tun.ko
    $ adb shell su -c "mount -o rw,remount /system /system"
    $ adb shell su -c "cp /sdcard/tun.ko /system/lib/modules"
    $ adb shell su -c "insmod /system/lib/modules/tun.ko"
    $ adb shell su -c "mount -o ro,remount /system /system"

    いずれもエラーが出ずに処理が終われば正常です。エラーが出る場合はroot権限がとれていてsuがインストールされているか確認してください。

以上。最初NDKを最新のもので試したのだけど、付いてきたクロスコンパイラがarm-linux-androideabi-4.4.3で、これだと

# insmod tun.ko
insmod: init_module 'tun.ko' failed (Exec format error)

と言われてしまってモジュールを読み込めなかった。なんかARMのGCC 4.0特有の問題みたい。